
こんばんは。ハート出版の日高です。
昨日、山田順氏から送られてきた「出版大崩壊−電子書籍の罠」電車の中で読み終えました。さいわい、今日から西武線もほぼ通常運転で、すいていました。所沢から池袋まで座れませんでしたが、でもその方がいいんです。居眠りしないので本が読めました。
昨日帰りは、数頁めくっただけで眠ってしまいました。電車の揺らぎは、モーッワルトの子守歌であります。
最初から脱線してすみません。冒頭の本、読み終えました。間違いなく出版業界に携わる人、電子書籍を考えている人必読の書だと思います。
山田氏は、電子書籍に鋭いつっこみをいれています。最近、ぼくの職業が版元と知ると、「大変ですね、電子書籍が・・・」とか、またぼくの周囲でも「社長、電子書籍は」とよく言われますが、そのため逐一、出版業界がそのバスに簡単に乗れないことを説明しなければなりません。ま、ぼくは理論派じゃありませんし、(いわなくてもわかってますって)面倒だから説明しませんが・・・。
著作権の問題、電子書籍にするための、またそれに関連する費用対効果の問題、プラットホームの問題、タブレットの問題・・・インフラがそろっていません。しかし、雰囲気は何となく乗り遅れるぞ、といった観念がつきまとっています。
よくぞ、電子書籍の時代を前に、出版に携わる僕たちが肌で感じていることを、よく調べて、考えて、体験もして、よく言ってくれました、スッとしました。
しかし、電子書籍の時代はおそかれ早かれやってくることも間違いないでしょう。ただ山田氏が言っているように、それがどんなスタイルなのか、なかなか予測しがたいものがあります。山田氏が言うように、ひょっとしたら書籍というにはほど遠いものかも知れません。
これを読みながら2つのことを思い出しました。
一つは、かなり昔に、稲盛和夫さんが言っていたこと。インターネットなどIT技術で、人間はだれしも千里眼、地獄耳を持つようになったと。確かに地球の裏側の映像も音声もリアルタイムで聞くことも可能になり、便利になった。
稲盛氏は、通信の自由化で、電話回線事業に参加した。しかし、またたく間に電話料金は安くなり、採算が取れなくなったと。雨後の竹の子のように出来た電話会社はその後、合併など再編成されてしまっている。
たしか3分間大阪−東京間の通話3百ウン十円していたかもしれない。それがどんどん安くなって、つまるところスカイプ等を使えばタダ同然になっている。
例はこれだけじゃない。たとえばかつて、インターネットを始めるとき、プロバイダと契約するのに数万円かかった。いまは宣伝付きだがかんたんにホームページもブログも、メールも始められる。
昔に比べれば限りなくゼロに近くなっているといってもいいのではないか。
このように、凄いスピードでどんどんタダになっていくのがIT産業。電子書籍は、今も採算が取れないが、従来の考え方ではこの先もずーっと採算が取れないかもしれない。たしかあの梅田望夫が言っていたかも、ITの世界は限りなくゼロに近づく、と。
電子書籍も、その限りなくゼロのITの渦の中にはまっていきそうである。消費者にとって安くなることはけして悪いことではないかも知れないが、出版という商業がなり立たないのではないか、良質の著者、書籍というのも埋もれていくのではないかと山田氏は危惧している。
で、もう一つは、この本のタイトル、「出版大崩壊」。もう10年以上前になるかも知れない。同名の書籍がイーストプレスから出版され、大いに感銘を受けたことがある。
ぼくは、そのとき一歩先を行くアメリカの出版業を肌で感じたくて、夏休みを利用して、ニューヨークの書店を見学したり、日本人がやっている出版社を訪問したりしたことがある。・・・とここまで書いて時間がなくなった。この続きはまたいずれかの日に。
ところで、当社でも、いつのまにかこの本4人読んでいました。
反響がありますね。こだまですか?いえ誰でも・・・。時間がよろしいようで。
posted by ラクーンドッグ at 21:15
|
Comment(1)
|
・WEBのお勉強ー電子書籍・iPad